通勤時に遭遇する変わったおじさん、のことは以前に当欄で書いただろうか。東武伊勢崎線から営団地下鉄日比谷線に乗り継ぐ方らしいのだが、編集者はこの一年間に二度出会っている。
最初は越谷駅で、昨年11月。朝、ホームで行列の最後に立ち、電車を待っていたのだが、準急が到着してドアが開いた瞬間、列の先頭が数名がく、とのけぞり『十戒』のヨルダン川(だったっけか)の如く、両側に引く。こちらはぼんやりしていてよく分からぬまま「あ、なんか空いてる、らっきー」と思いつつ乗り込むと、そこにそのおじさんが立っていた。
歳の頃は50台前半くらいか、割合小柄で片手には革製の書類鞄、何処にでもいるような、ごくふつうのおじさんなのだ、着ているものがショッキングイエローのレオタード一枚というファッションでさえなければ。
このおじさんは次の駅で降りていったのだが、隣に立っている時間の長かったこと。
で、しばらく、この悪夢のようなひとときを忘れていたのだが、三月にもう一度、今度は大混雑の日比谷線車内で遭遇してしまった。知る人ぞ知る猛烈な乗車率を誇る日比谷線北千住→上野間なのだが、ある一角だけぽっかりと空いているのだ。編集者は例によって何となく人の波に押し流されているうち、この方の隣に立ってしまった。このときの筆舌に尽くし難い不安感は忘れられない(^_^;)。北千住から秋葉原までの約10分、それはそれは永遠の如く長い時間であった。
編集者が下車するときも、おじさんはそのまま乗り続けていた。何処から来て、何処へ行くのか....(^_^;)。
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