新宿Tの試聴コーナーで少し聴いたポリーニのドビュッシィ『前奏曲集第一巻』がいまいちと感じていったんは買わずに帰ったのだが、私淑しているkyoさんのサイトで誉められていたので、思い直して入手。二回通して聴いてみたが、うーむ、これはこれでなかなか宜しいのでは、と考えを改める。
何よりイエローレーベル、ドビュッシィ、イタリア人ピアニストとくれば、やはりベネデッテイ=ミケランジェリ(ポリーニのお師匠でしたよね)。1976年だったか77年だったかに出た、やはり第一巻の録音は編集者にとってはもはや神棚に座布団30枚積んでもまだ不足、という一枚である。この、あまりにも強烈な刷り込みが他の演奏の存在を許さないのであるが(^_^;)、冷静になってポリーニ盤を聴いてみれば、やはりそこはそれ、こないだ聴いたインバルのマーラーのような、パラノイアックな世界が現出している。それにしてもポリーニって、演奏中にこんなに唸るひとだったか。グールドも顔負けの騒がしさだ。それから、弱音でみせるコントロールが強音ではもう一つと感じた。
店頭に長いこと置いてあるバレンボイムの、エリントンへのトリビュート・アルバム、いつも買おうか買うまいか迷った挙げ句に止めてしまうのは何故だろう(^_^;)。やはり視聴コーナーで聴いた『A列車』は、思いの外金管が格好良かったが、ラッパのソロが有名なアルバム『ザ・ポピュラー』でのアドリブのパクリに聴こえて興ざめ。ちなみにこのアルバムはエリントン晩年の一枚だが、『A列車』冒頭、ワルツのテンポに乗せて御大が珍しく、長々とソロを取るのが印象的。プレヴィンも賛辞を惜しまないエリントン・マジックの入門にも適当。バレンボイムは....タンゴ・アルバムはなかなか良かったけれどねぇ....
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