銀座名バーテンダー物語

東越谷編集日記

 昨日の記事に対して頂戴したコメントで、銀座七丁目、コリドー街にあるバー「クール」の閉店を知った。なんということだ。もう十年以上も前、当方嘴の黄色いヒヨッコの分際で、この店に数回お邪魔した記憶がある。バブル云々とは少し違ったところで、オトナの世界に憧れて都内のバーを巡ったという、若干恥ずかしい思い出だ。
 ここのオーナーでかつバーテンダーの古川緑郎さんという方に聞き書きした、良い本がある。晶文社から出ている『銀座名バーテンダー物語』というのがそれだ。上述のコメントに触発されて、久々に本棚から引っ張り出してみると、奥付には1989年1月10日発行とある。発売当初に買って読んでいる筈だから、ううむ、じつに15年。久しぶりに本をぱらぱらとめくってみれば、古川さんは大正5年のお生まれだとか。数えで米寿を過ぎ、まもなく卒寿というお年ではないか。これからもどうか、いつまでもお健やかにと願わずにいられない。

コメント

  1. Flamand より:

    ワタシも常連の方の尻馬に乗って、
    Coolには何度かお邪魔したことがあります。
    古川さんは、お年を召されても決して頑固になるわけでもなく、
    お客さんとの会話はママさんに任せて、
    淡々と軽妙洒脱にお客さんに接しておられました。
    1~2杯飲んで、さっと引き上げるバーとしては最高でした。

  2.  同じバーでも、5丁目(だったかな)のルパンは、少し俗っぽい感じでしたが、クールは何というか、粋を感じる風情がありましたね。勉強させてもらいに行く、と、少々肩に力の入った訪問であったなあ、などと振り返っております(しみじみ)。

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