加藤和彦のアルバム復刻

東越谷編集日記

 加藤和彦というヒトは『帰ってきたヨッパライ』であるとか、サディスティック・ミカ・バンドであるとか、あるいは故・安井かずみの旦那であるとか、人によりさまざまなイメージを持たれていることと思うが、ワタシにとっては1980年前後のソロワーク、とりわけ『パパ・ヘミングウェイ』『うたかたのオペラ』『ベル・エキセントリック』という、当時三部作と呼ばれた傑作アルバムの思い出とともにある。もう、大好きでだいすきで、LPをすり切れるほど聴き、またカセットテープにコピーしてカーステレオで聴きまくったものだ。
 で、この音盤がオーマガトキから復刻されたのだということを、さいきん知った。めでたい。一も二もなく音盤店に駆け付け....と思ったのだが、なんだかどうも、リマスタリングのトラブルだか音源の権利関係だか、で騒ぎになっているらしい。Amazonのレビューでも、ずいぶん厳しいコメントが付いているのだよな。うーん、どうしたものか。
 『ベル・エキセントリック』のあと、ソニーへ移籍してリリースされた『あの頃、マリー・ローランサン』とか『ヴェネツィア』とかは、はやくからCD化されたのをだいぶ以前に入手しているが、そうか、いま、この三部作をあらためて聴いたら、どんな気持ちかな。「メモリーズ」や「レイジー・ガール」、また「パリはもう誰も愛さない」とか「ディアギレフの見えない手」なんて、いまでもたぶん歌えるぞ(笑)。そういえば「ジュ・トゥ・ヴ」は坂本教授がピアノ弾いてたんだっけ。懐かしいなあ。

コメント

  1. beeswing より:

    とりあえずアナログを持っていなかった『パパ・ヘミングウェイ』だけ買いました。
    もめたのは、オーマガトキの広告で、さもオリジナル・アルバムと同じ音源(前のCD化の際にカットされた佐藤奈々子のコーラスが入っているもの)で出し直すかのように言ったのが原因のようです。
    それさえOKなら、まあとくに悪いものではないんじゃないかと。
    ぼくは最近アナログに回帰しつつあるので、だぶって買う気はなくなってます。

  2. at.yamao より:

    とりあえず、買いましょう!
    といっても、僕は「パパ・ヘミングウェイ」しか買ってませんけど。ベルリン録音のって、今聴くとすごく重たいんですよね。歳のせいかしらん。まさかっ。

  3. コメント多謝です>>お二方
    とりあえず「パパ・ヘミングウェイ」と「うたかたのオペラ」を聴いてます。いいなあ、やっぱり。フレーズやらアレンジやら、90%以上、覚えてました。
    どちらのアルバムでも、一部の曲(「メモリーズ」「ルムバ・アメリカン」等)で、佐藤奈々子のバック・コーラスというかヴォイスというか、まるごとカットされてました。どうしてかなあ。「ケスラー博士の忙しい週末」とかではそのまま残してあるので、権利関係のせいではないかも。
    あと、発売当時は三部作のうち「うたかたのオペラ」を最高と思っていましたが、今回聴いてみると、もう少しマイルドな「パパ・ヘミングウェイ」のほうが良いかなあ、と思ってしまいました。歳のせいですかね、やっぱり>>at..yamaoさん

  4. beeswing より:

    ぼくはいま気分が重いせいなのか(笑)、『うたかたのオペラ』をアナログ引っ張り出して聴いてみましたが、いやあよかったなあ。そうだそうだ、細野+幸宏のリズム隊だったよな、矢野顕子も全面参加じゃん、とか盛り上がってしまった。しかし、佐藤奈々子の声、一部だけ残ってるというのは謎だなあ。「ロック画報」のインタヴューでもたしかその辺までは触れてなかったし。

  5. そそ、矢野顕子全面参加なのよ>>beeswingさん
    職人に徹した、しかしもの凄い存在感のピアニズム、ですよね。
    奈々子さんのボーカルは「うたかたのオペラ」で言えば「ケスラー博士の忙しい週末」と「ソフィーのプレリュード」にはしっかり残ってます。というか、後者はバックボーカルではなく、メインの部分もあるので、これを切ったら歌が成立しませんし。
    一方「ルムバ・アメリカン」では、メインボーカルの裏に入るスキャットとか、ボイシングとかあった筈(記憶によれば)なんですが、スパッと切られてますね。このへん、騒ぎになった原因なんでしょうね。

  6. ベル・エキセントリック

    ベル・エキセントリック Bell Eccentric オークションで恐ろしく高騰していましたねぇ。加藤和彦様のCD再発売。(尊敬しているので様つき。オークションで落札したとき「和彦様のCD」とか箮.

  7. めりの より:

    はじめまして。
    トラバさせていただきましたが、宜しかったでしょうか・・・。
    ソフィーのプレリュードはキッチンに立ったとき、
    ご機嫌なときつい口ずさみます。

  8. めりのさん、コメント&トラバどうも有り難うございました。もちろん大歓迎です。
    キッチンで「ソフィーのプレリュード」、ステキですね(^^)。ワタシは最近、駅からバイクで帰宅する際に「ルムバ・アメリカン」を歌いながら走っています。ちょっとコワイ人になってるかもです。

  9. めりの より:

    こちらこそ、ウチにもTBとコメントありがとうございます!
    「ルムバ・アメリカン」もいいですね!
    バイクごとゼルダの時代へダイヴ出来そうですよッ。
    「ソフィーのプレリュード」だと道に迷いそうですし(笑)
    私は好きなアーティストの背景をあまり知らずに曲だけ聴いて
    スキスキ!とミーハーしまくってるわりに、佐藤奈々子さんとかも知らなかったんですよねー。
    「アラウンド・ザ・ワールド」も好きです。最初は「絹のシャツを着た女」からですが。

  10. 「バイクごとゼルダの時代へダイヴ」いやー、感覚的にはまさにそんな感じです。いま住んでるウチが多摩丘陵の山ン中なので、坂道が多くて、ダイブした瞬間に命を落としそうになるのがちょっと怖いんですが(^^;)。
    そういえばこのへんのアルバムを聴いてた頃(もう少し後かなあ)、マーク・アイシャム監督の映画『モダーンズ』なんかも観て、パリのカフェでくだを巻いている冴えないヘミングウェイに笑ったりしたのも、思い出しました。

  11. めりの より:

    どうもですー。ダイヴは「時代」だけにしてくださいまし!
    「モダーンズ」ってキャラダインとジョン・ローンの。
    観てますよぅ。ビミョーな映画でしたが、ディテールが面白かったようなー。
    CDを机の上に引張り出し、久々にあれこれ聴いてしまいました。
    やはり「ルムバ・アメリカン」にあのボイシング(というのですね、知らなかったデス)はないVerのを、バックアップして聴いていたんだと判明しました。ちょっとショックです。入ってる方を焼けば良かった・・・。LPはあるんですがいま再生できないので(´O`)

  12.  いや、やっぱりご覧になってますね>>『モダーンズ』
     「デンキヒツジの毎日。」を拝見して、きっと、と思っておりましたが、やっぱり(^o^)。この映画は、20世紀初頭のパリはこんなだったかもしれない、という雰囲気を観るモノと割り切って楽しみました。そういや、キース・キャラダインがロートレックを演ったんでしたね。忘れてた(^^;)。
     「ボイシング」というのは正確な用語かどうか、よく分からなくて申し訳ないのですが、要するに、佐藤奈々子の甘い「声」が聴けなくてちょっと残念、というところです。LPを聴き直せれば良いんですけど。
     「あの頃、マリー・ローランサン」も聴き直したくなったなあ。どこに置いたかな(^^;)。

  13. めりの より:

    うたかたのオペラの、ジャケット(というか再プレス情報?)ありがとうございます・・・凄すぎます!!。
    モダーンズ。ロートレック役のキャラダインおぢさまはわりと好きでした。20世紀初頭のパリ。CDだけで再現できちゃうってのも凄いですが。
    結局どのアルバムが好きかと問われればすごく迷います。
    あ、「テレビの海をクルージング」もいいですね。
    んー。「あの頃、マリーローランサン」買うべきですよね。>自分。すぐ出ないんだから。

  14. めりの様
    考えてみれば『あの頃、マリー・ローランサン』アルバムタイトルにもなったあの曲も愛唱歌のひとつです。いいぢゃないですか、将来の夢を語り合う二人 ....って、こうしてお互いに好きな曲を挙げていくと、結局双方とも「ぜんぶ!」ってコトになりそうですねえ(^^)。

  15. めりの より:

    「あの頃、マリーローランサン」欲しくなるじゃないですか!
    やはり最初のプレスの復刻で紙ジャケ、金子絵でコンプリートボックスが出たら美術本をオークションにかけてでも欲しいかもしれないです。勿体なくて開けられないかも知れないけど!
    安井かずみさんの御本も一時高騰してました☆私は競り落せませんでしたけれども・・・。

  16. とりあえず、買いましょう(^^)>>『あの頃、マリー・ローランサン』
    安井かずみさんの本、は殆ど読んでなかったなあ。amazonで検索したら、ご夫妻共著の『ワーキングカップル事情』(新潮文庫)、これだけは読んだ記憶がありますね。

  17. めりの より:

    おひさしぶりです・・・!
    にゃんと!「あの頃、マリー・ローランサン」出てきました!!
    嬉しくてききまくってます♪
    あの・・・どうしても気になるのですが「テレビの海をクルージング」に出てくる「船の旅はもう始っていた…」のは、映画かなと思うのですが、白いタキシードの指揮者、その恋人、暇をもてあましている未亡人、カリブの海・・・。モトネタが気になって気になってしょうがありません(T_T)
    もしご存じでしたら、お馬鹿な私に教えてやって下さいまし!
    もし映画なら観てみたいんです。

  18. 加藤和彦『パパ・ヘミングウェイ』

     ブラームスの次点で頭の中を回っていたのが、加藤和彦の「レイジー・ガール」。なん

  19. ichimann より:

    はじめまして!
    素晴らしいサイトにめぐり逢えました。
    只今「パパ・ヘミングウェイ」聞いています。
    「いいなあ~」
    やっぱり「いいなあ~」
    すごく久しぶりに・・・
    実は、ひょんな事から永ちゃんの横須賀LIVEに参加して・・・日比谷野音のDVD引っ張り出すとバックがサディスティックで・・・そしたら急に加藤サン聞きたくなって・・・レコードだとピッチ狂うのでCDをヤフオクでgetして・・・今!
    というところです。
    私のjapanese music史は 加藤さんと共にです。
    あ~次は「ガディニア」に行こうかな・・・。

  20. めりの様:
    お久しぶりです(^^)。「あの頃、マリー・ローランサン」出てきましたか! 羨ましいですね。我が家のはいったい、何処にあるんだろう(;_;)。
    「船の旅...」これは分からないなあ、ごめんなさい。ありそうなエピソードですけど、じっさいには何かモデルがあるんでしょうかしら。
    ichimann様:
    ようこそおいで下さいました。「パパ・ヘミングウェイ」よろしいですよね。サディスティックスも、ミカ・バンドも懐かしいですが、ワタシの場合安井かずみさんとのコラボレーションがいちばんしっくりくる感じです。あのひょうひょうとした、いいとこの坊ちゃん、という雰囲気と、歌詞とアレンジとがじつによく馴染むんですよねえ。

  21. エメ より:

    はじめまして。。エメと申します。昨日Listenで『ガーディニア』をダウンロードして…やっと幻のアルバム(私にとってですが…)聴けて感無量!!の直後、こちらのサイトにお邪魔して…今まで全く周囲に存在しなかった同好の方々見つけて嬉しくなってしまいました。これも安井かずみさんのお引き合わせ?(笑)…と勝手に思い込み、お仲間に入れていただきたく…軽くご挨拶。よろしくお願いします。
    私の加藤氏入門は『うたかたのオペラ』です。それまで日本のポップスは本気で聴いたことなかったのでぶっ跳びました。
    そもそも『うたかたのオペラ』を買った動機は…ある日ぼ~っとミュージック・フェア見ていたら…番組最後の曲になって…その頃の一流どころの人たち(坂本&矢野夫妻、細野氏、高橋氏、高中氏etc…..がゾロゾロ画面からはみ出さんばかりに登場して…正直「なによ。。一流の人集めればいいってもんじゃないでしょ。。」と冷た~い目で耳で…見聞きしてたんですが…最初の1小節でタダモノデハナイ。。ことに気付かされてしまったです。惹き込まれたその曲は…当時資生堂のCMソングに起用された『絹のシャツを着た女』です。日本にこんな音楽ができる人たちがいるなんて。。目からウロコでございました。アナログ盤はパパ・ヘミングウェイ以降の全部持っていたのですが…初期の安井サマとの共作を持ってなかったので…基本中の基本かな?…と想像していた『ガーディニア』を実際に聴くことができた感動は…ご想像にお任せします。。ボサノヴァでした。。では。。

  22. ichimann より:

    エメ様
    「ガーデニィア」に行きましたか!
    私はジャケットごと欲しいのでダウンロードをクリックが出来ないでいます。
    私はヨーロッパ三部作よりも「それから先のことは」「ガーディニア」「パパヘミングウェイ」の流れが予想の範囲でもありとアレンジや音の一粒々々が衝撃でもありの不思議な同居さが加藤和彦さんの魅力でありますねえ。一枚のレコードの中でも各レコードの間にも相通じる気がします。そこには安井かずみという揺るぎない詩の存在が大きく世界を広がせる基にあるように感じます。

  23. エメ より:

    ichimann様
    『ガーディニア』堪能しました。ボサノヴァと申しましたがサンバが多いかな?頂点のうたかた・マリーローランサン・ヴェネツィアと比較すると…発展途上中。。という印象もありますが…若々しくナイーブな詩の世界は…お2人の愛の若さを感じさせて…マニア的にはウレシ&ハズカシです。『それから先のことは』もダウンロードしようかな…と思案中。ガーディニアのジャケット…加藤サンにしては珍しくまともな写真が使われてて…欲しいですよね。でも中古レコードで出ているのを見かけたことないですよ。パパ・ヘミングウェイ以降は結構ありますけど。。

  24. エメ様:
    いらっしゃいませ。この広いWebの大海のなかで、拙サイトをみつけて戴いて有り難うございます。それもこれもトノバン=加藤和彦さんのおかげですね。
    当通信ではときどき音楽のお話もアップさせて戴いてるんですが(笑。もともとクラシック音楽系のサイトだった筈)、ムーンライダーズとか加藤さんとか、ちょこっと書き留めておくと思いの外たくさんの反応を戴けて、嬉しく思っております。
    これからもどうか、お気軽にお立ち寄り下さいませ。

  25. エメ より:

    失礼いたしました。ホント..クラシック音楽サイトですね。でも面白いのはスカラッティとかプーランク、ラヴェル、ドビュッシー、武満氏(日本人のよしみで..)etc.共通項が多いな~と…..(笑)セルシェルとキングス・シンガーズのビートルズは10年来の愛聴盤ですし。。モートァルトのオペラはいかがですか?私…コジ・ファン・トゥッテのコレクターです。ケント・ナガノ指揮リヨン交響楽団のカルメンを吉田秀和氏とご一緒に聴けたのは生涯の喜びです。また話が長くなりますので…いずれまた。

  26. モーツァルトのオペラもけっして嫌いではないんですよ、といいつつ拙サイト「音盤一行感想録(オペラ・声楽)」を眺めてみれば、何なんだこの偏ったラインアップは(失笑)。ちょうどこの頃、こういうのばかり聴いていたんだなあ。
    「コジ」はいくぶん馴染みが薄いんですけど、録音ではベーム盤なんかが印象に残ってます。
    ナガノ指揮のカルメン、というのはひょっとしてフォン・オッターが歌ったやつですか(うろ覚え)? これは観た覚えがありますね。

  27. エメ より:

    オーチャードホールでソリスト迎えて…何回かやった後、神奈川県民ホールでオーケストラだけで演奏会をしたのですが…S席が2~3人しか埋まってなくて(要するに前数列がキレイに空席だった)団員があまりのはっきりした観客の意志?にビックリして…ステージ上で話し始めたのです。ナガノ氏は…驚きの色も見せずに曲が始まったのですが…「芸術は爆発だ!」みたいなカルメンでした。後の曲はごく繊細な管楽器の音をフューチャーした現代作曲家の作品で…『カルメン』ちょっとやり過ぎ!!と思ったです。1ヶ月後…もっとかもしれないですが…吉田秀和氏の評が朝日新聞に掲載されて…絶賛されておられました(カルメン大好きですって)

タイトルとURLをコピーしました