底抜け合衆国

東越谷積読斜読

4896918436.09._PE_SCMZZZZZZZ_.jpg 内田樹先生のお薦めで、町山智浩著『底抜け合衆国』(洋泉社)を読んだ。米国西海岸(オークランド)に住む著者が2000年から2004年のあいだに書いたエッセイをまとめたもの。これはもう、もの凄く面白く、刺激的だった。大推薦。
 ブッシュがどのように阿呆か、ということを、報道された情報に基づいて具体的に記述していくところなど爆笑もの。かたや一ヶ月のあいだ、マクドナルドで出される食事以外をいっさい口にしなかった男のドキュメンタリー映画、『スーパーサイズ・ミー!』の顛末もあり。
 何より驚いたのは、全米に千社以上あるラヂオ局を、規制緩和に伴って買い占めにかかり、いまや60%以上を独占したという、クリア・チャンネル・コミュニケーションズ社の存在。もともとテキサスの放送局で、ブッシュ家と親交が深いのだそうだ。メディアの大半が特定の資本に属するとどういうコトが起きるか、は容易に想像がつこうというもの。例えば9.11後、あろうことかジョン・レノンの『イマジン』が反戦歌としてやり玉に挙げられたらしい。すると全米の6割の放送局が、『イマジン』を放送自粛してしまうのだ。いやあ、悪いけど、そんなオソロシイことが進行してるなんて、ぜんぜん知らなかったよ。
 ….で、なにか、似たようなコトが日本でも起きていはしないか? ついつい心配になってしまう。例えばテレビの地方局の大半は青息吐息の状況だし、CATV局も大手資本の傘下に次々と降りつつある。だ、大丈夫かな。

コメント

  1. beeswing より:

    内田先生のブログを最近愛読してるんだけど、新著が出るみたいね(また!^^)。ときどき「おれはもののわかってる人間だからね」オーラが鼻につかないでもない今日このごろ。町山氏のブログは一時騒然としてて、というか、アホに対する彼の対し方がじつに面白かった(^^;)。コメント欄閉鎖が残念です。

  2. そうかー、例の映画評添削問題の渦中のヒトが町山氏であった訳ですね。アタマのなかで繋がってなかったなあ。
    で、さっそく町山氏のブログ、みてきましたが、やあ、これは面白いですね、ていうか、くだんの本のノリと一緒。当たり前か。
    内田先生の量産状態は多少気になっていたところですが、まあ、露出度が上がって新しい読者が増えるのも悪くはないかも、とも思います。

  3. 確信犯でしょうね>内田先生の量産状態
    ワタクシは読んでいると気持ちいいので、読み続けております(あんまり本は買っていないけれど)。

  4. 確信犯ですよね(^^;)。
    いつも思うんですけど、ほんとうのところ、神戸某大学の女子学生からみた内田先生の評判は、どうなのでしょうね。

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