『トスカ』ローマ歌劇場

東越谷編集日記

 来日中のローマ歌劇場公演最終日、『トスカ』を観た(2006.10.1)。
 タイトルロールにはダニエラ・デッシイ、画家にファービオ・アルミリアート、指揮はジャンルイージ・ジェルメッティ。いやー、オペラ公演なんて何年ぶりだか。NHKホールへは、そういえば昨年暮れのNHK音楽祭以来。あのときは北ドイツ放送響で、子供向け番組だったな。とにかくここのところ、子供を連れずにコンサートだなんて皆無だったので、ああ、ほんとうに久しぶり。
 小雨のマチネ、暑くもなく寒くもない、ほどよいお天気の日曜の午後。手にしたS席のチケットは、え? 二階右の14列で、屋根かぶってるじゃん。こりゃ、ホールの大半はS席ってことか?? まあ、あまり文句も言えない事情もあったりするが。呼び屋さんもあまり、聞いたこと無い名前だったけど、きっと新しい勢力なのだろう。
 ローマ歌劇場というのは、あまり予備知識が無かったんだけど、一幕冒頭からして、これは指揮者に相当しごかれてる楽団とみた。なんか、イタリアっぽくなさ過ぎじゃ? ジェルメッティの棒は遅めで凝り性というか、こだわりが激しいというか。こういうの嫌いじゃないけど、歌伴でも我が道を行っていて、少し無理がある気配。アルミリアートはなかなか良くって、三幕までじゅうぶんに期待させてくれて、しかも期待によく応えてくれた。大拍手。デッシイは二幕で少ーし心配なところがあったが、何とか持ち直した。拍手。スカルピア男爵は知らない名前だったが、熱演だった。拍手。演出はごくごくオーソドックスで、安心できるというか。
 全般には無難な力演、といったところ。最終日とて、カーテンコールでは合唱も含めて歌手全員、に加え、ステージ裏方さん達も総出で大騒ぎ。舞台上から客席の写真をとるヤツがいたり、イタリア国旗と日の丸を混ぜ込んだ旗を持ち込んだり、と、日伊交流もここに極まった、てな有様。まずまず堪能致しました。
 本公演に出かけるチャンスを下さったTさん、Iさんには大感謝。取り急ぎお礼とご報告まで。

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