編集日記(2000.02.07分)

東越谷編集日記

 愛読しているふじたさんのサイトで、『映画千夜一夜(上下)』(淀川長治、蓮實重彦、山田宏一共著 中公文庫)のご紹介があった。この三人の鼎談で面白くなかろう筈がない、ということで早速入手。で、やっぱり大笑いしながら読ませて戴いている。
 もともと我が家には、同じ三人の鼎談録である『映画となると話はどこからでも始まる』(勁文社)という大傑作がある。冒頭で蓮實、山田両氏が最大の敬意をもって淀川さんに挨拶すると、御大はこう応える。
「まあ、とんでもない。蓮實さん、山田さん、この、映画の苔みたいな、虫みたいな、黴みたいな人たちと一緒におるなんて、私、ほんとに嬉しい」。
「蓮實さんの原稿を拝見してると、ちょうどお経を読んでるようでね(笑)、もうほんとに手を合わして読んでます(笑)」。
というわけで、天下の東大総長も一刀両断(^_^;)。
 紹介される映画は蓮實、山田両氏ともヒヨッコ扱いの大昔のものばかりなのだが、殆ど淀川さんの語り口で読ませてしまうところが凄い。惜しむらくは、読んで興味を持った映画を、おそらくは(旧すぎて)観ることができないであろう点か。

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