テレビでベルリンのピクニック・コンサートを観る。毎年夏の定番になって、もう何年たっただろうか。今年のシェフは小澤征爾氏、お題はガーシュウィンだそうで。
ガーシュウィンといえばラプソディ・イン・ブルー、小澤氏はここ数年、盲目のジャズ・ピアニスト マーカス・ロバーツと組んでこの曲を取り上げているようだ。だいぶ以前に、タングルウッドでの公演をやはりテレビで観たが、ジャズ・コンボとオーケストラがそれぞれ勝手にやっているような印象を受け、編集者的にはイマイチだった。
が、今回の演奏は悪くなかった。傾向は従来とそれほど変わるところはなかったものの、マーカスを中心としたトリオの演奏がずっと洗練されていたこと、そして何より、ベルリン・フィルハーモニーがじつに格好良かったことが大きな違いだ。
だいたい、ジャズ関係者からみれば、オケ者がこのテの曲をやって、ロクなことになった試しがないというのが斯界の通説であって、ガーシュウィンのこの曲はいちおう、オケがやってもサマになるように書いてはあるが、まあ殆どの場合、辛うじて云々といった結果に終わることが多い。
で、もちろんドイツのイモ楽団などが背伸びしても結論は同じ、という編集者の先入観を、今回の演奏は見事に裏切った。イヨク的な数名のソロ奏者の健闘を称えつつも、それ以上に全般のアンサンブルの素晴らしさを大いに評価したい。少々酔っぱらっていて言動の過激な部分は謹んでお詫び(_ _)。
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