発熱の夜の悪夢

東越谷編集日記

 前代未聞の夏日まで発生という師走、急転直下での初雪(29日)は平年より4日はやいとか。そんな乱暴な天候のなか、やはりというか、風邪らしきものにやられてしまった。39度の高熱で週末の二日を完全に寝込んで養生したのだが収まらず、さらに抗生物質を飲んで発熱のまま就業3日間、はさすがに少々、辛かった。
 高熱が出ると必ず、ロクでもない夢をみる。今回もちょっと洒落にならない夢をオールナイト三日連続興業でみせられて、とても寝られたものではなかったのだが、一本だけ笑えるというか呆れるというか、いや、悪夢なのでみているときは怖いのだが、といった作品があったのでご紹介しておく。
 ワタシは劇場でオペラを観ている。のだが、とても怖くて舞台に集中できない。理由は劇場の、とても異常な設計に起因している。客席は各フロア毎に一列しかなく、地面からほぼ垂直にせり上がる壁に張り付いている。しかも舞台の真ん中に向かってかまぼこのようにふくらんでいるので、逆に舞台が客席を取り巻くようになっている。外形をイメージすると、そう、例えばバベルの塔を縦に半分に割って、外側に座席を貼り付け、足許にぐるりと舞台をしつらえた、そんなところか。うーむ、表現力の圧倒的な不足を感じるな。
 自分の席はどうやら8階か9階あたり、一列しかないので眼の前がすぐ舞台、ではなく、芝居は足許はるか50mほど下方で行われており、これを観ようとして身を乗り出すと、怖い。僅かに見える舞台美術(巨大な石でつくられた人間の頭部??)や、聴こえてくる響きからして、どうやらキーロフ劇場のワーグナー『指輪』のようなものであるらしい(笑)のだが、怖くて確かめられない。指揮者も怖そうだし。
 眼が覚めてから、いまの夢はいったい何だったのか、と少し考えたが、馬鹿馬鹿しいのでやめた。これは若い頃に、東京文化会館の5階両サイドで、死ぬほどコンサートを聴いた頃の心的外傷(トラウマ)がみせたものと断定。

コメント

  1. miu より:

    2005年の始まり、おめでとうございます。
    それにしても凄い夢ですね。
    しかも細かいところまでよく覚えていて。
    かまぼこの状態、よくわかりました。 (^^)

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