『スペース・トゥーランドット』

東越谷編集日記

 昨年観た新国立劇場のこども向け公演『ジークフリートの冒険』がなかなか良かったのだが、今年はトゥーランドットの翻案で開催、とのことで、家族一同引き連れて再訪(7/30 11:30 新国立劇場・中劇場)。今回もホワイエにノヴォラツキー監督がお出迎え。仕事熱心だなあ。
 今回の演目『スペース・トゥーランドット』も、例によって大胆な再構成、というか、ぜんぜん違う話のようにも思えるが(^^;)。「宇宙でいちばん美しいのは誰?」と問いかけるトゥーランドット姫に、「それはフローラ星のラベンダー姫です」とか答えるやつがいるものだから、怒ったト姫がラ姫を誘拐、で、助けにいくのが宇宙防衛隊のキャプテン・レオ。ト姫の三人の手下がそれぞれ「ペペ」「ロン」「チーノ」って、いやあ、何だこりゃ。
 Nessun Dormaとか謎解きの場面の歌とか、工夫して構成してあって、なかなか聴かせるのだが、オリジナルのシリアスな場面の歌が、あまりにもおちゃらけたシチュエーションに用いられたりして、良く知ってるひとは混乱したと思う。我が家でも前日にMETの映像をみせたりしたのだが、こどもたちは「ぜんぜん違う話じゃん」とか言ってた。
 ことしもご贔屓の直野容子さんが、サイボーグのタムタム役で登場。昨年と同様の大活躍が嬉しかったが、歌ももっと聴きたいぞ。次回も楽しみにしてます。
 プッチーニは昨年のワーグナーほど圧縮率(!)も高くない(2.5時間→1時間)ものの、筋立ては相当いじられていて、音楽もあっちこっちを継ぎ接ぎしているので、いろいろ思うところもあったものの、まあ関係者一同たいへんなご苦労をされているようにお見受けした。まずはご成功を寿ぎつつ、再演を期待したい。一点だけ; フローラ星にいたはずの王様が突如、べつの場所に出現する場面は違和感あった(^^;)。改善を望む。

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