楽器はそこにあるだけで絵になる
アンドレ・プレヴィンがヴィーン・フィルと録音を始めてから、10年近くになるのだろうか。この指揮者は、あまり「全集」の類をつくるのは好きではないらしく、とくに近年では演奏会でも録音でも、専らいくつかの選ばれた曲を取り上げる傾向にあるような気が...
ジュピター、快楽をもたらすもの
スラトキン指揮、フィルハーモニア管弦楽団による『惑星』の新譜がテルデックから出た。グレー基調のイラストで、月面の空に大きく浮かび上がる星雲を描いていて渋い。 惑星というと恥ずかしい思い出がある。高校に進学し、吹奏学部に入部したばかりの頃のこ...
アガメムノーンの黄金のマスク
DGから出たR.シュトラウスの『エレクトラ』の新譜がなかなか格好いい。指揮はイタリアの髭面ジュゼッペ・シノポリ、オーケストラはなんとヴィーン・フィル。タイトルロールのアレッサンドラ・マルクというひとはよく知らない。ジャケ絵はちょっと見には何...
マリア・カラスの絵姿は...
このところさっぱり面白いジャケットに遭遇せず、本欄も不調。CHANDOS新譜のディーリアス『人生のミサ』はなかなか強烈だったけどね。まぁここに取り上げるには不向きかと。で、あまりにパッとしないので、もうこの際クラシック系にこだわらず、思い切...
SONY CLASSICALの新譜2題
【そのいち】エサ=ペッカ・サロネン指揮ロサンジェルス・フィルの演奏によるバーナード・ハーマン映画音楽集が出た(SK 62700)。 自ら作曲もし、近現代音楽にスルドい棒さばきをみせるサロネンについては、その新譜がたえず世の耳目を集めるわけで...
キャンバスの大きさについて
かつて、LPのジャケットは30cm四方の大きさで、デザインもそれに相応しいものが求められたわけで。 とっさに思い浮かぶのは、例えばアッバードが録音したバルトークの『中国の不思議な役人』。ホルガー・マッティースのデザインだったかと思うけど、京...
DGのアーチストたち
アーチストといっても、このコラムではジャケット・デザイナーというかカバー・イラストレイターというか。クラシック音楽レーベルの老舗、ドイッチェ・グラモフォンが擁するデザイナーのお話。 もともと当通信編集者がジャケ絵にこだわり始めたきっかけは、...
音盤ジャケット絵の楽しみ
かつてLPレコードというものがあり、タテヨコ30cmの紙製ジャケットに収まって流通していたのがつい10年前(今でもあるって(^_^;)?)。 その中身に刻まれた音楽こそが音盤収集の本来であった。にも関わらず、レコード店頭で手に取ってみた瞬間...